2010年6月30日水曜日

これから犬と暮らそうという方へのお願い。

これから犬を家に迎えよう、という方には、ぜひご自身に合った犬種の中から、ご自身に合った犬を迎えて頂きたいと思ってやみません。そして、迎えたら、最低限のしつけはして頂きたいと思います。

犬が家族になることは素晴らしいことです。
でも、犬は人間ではありませんから、人間の言葉も、人間社会のマナーも分からないまま家にやってきます。もし、飼主さんが人間の社会での過ごし方を犬に分かる方法で教えてあげなければ、犬は、「犬らしく」振る舞うばかりで、お互いにストレスを抱えてしまい、HAPPYに暮らすことは難しくなってしまうかもしれません。

また、世の中には犬が好きな人ばかりではありません。でも、犬が苦手な人でも容認できるようなマナーを身につけた犬なら、人間社会に溶け込んで過ごしやすいでしょう。

人間の社会で過ごすためのマナーを教える、それが、しつけ、です。
本来は、問題行動が起きてから対処するものではなく、犬が家に来たその日から教えてあげるべきもの。そして、その教え方は、できるだけ、犬にとって分かりやすく、楽しい方がいいと思います。

家族に迎えられた犬は、初めて日本にやってきた外国人、はたまた、遠くからやってきた宇宙生物のようなもの。要はニホンゴが通じない。「トイレはここよ」と言われても、「噛んじゃダメ」と言われても、「?????」なのです。そんな「????」な犬をつかまえて、叱り付けたり、無理やり押さえつけて何かをさせようとすれば、犬は不安になり、混乱して、家族に心を許さなくなっても不思議ではありません。

どうか、犬たちが好ましくない行動をしたからといって、叱ることはやめてください。ただ叱るだけでは、正しい行動に導くことが難しいからです。そして、正しい行動をほめてしつける、という方法をご紹介しているしつけ方教室の門をたたいて頂ければと思います。叱りとばした方が即効性があるように思われるかもしれませんが、正しい行動をほめてしつけることを基礎とした方が、長い目ではより素敵な関係が築けるものと確認しています。誰だって大きな声をあげて叱られるけど何が間違っているのか分からない関係よりも、それ正解!と正しい行動を分かりやすく指導してもらえる関係の方が不安が少ないはずですから。

2010年6月24日木曜日

「旅は犬連れ」三水会センター図書館で貸出中!



ヒューストン三水会センターの図書館に、「旅は犬連れ」を寄贈させて頂きました。

図書検索ページで、貸し出し状況を確認できます。


「旅は犬連れ」 かわはらしづか著
(出版文化研究会 2006年初版)



この本は、2005年に愛犬シャーリと一緒にドイツへ渡った際の、渡航手続き、犬学校留学記を綴ったものです。シャーリとは、その後も2007年、2008年に一緒にドイツ、チェコ、フランス、ベルギー、ルクセンブルクを一緒に旅しましたが、2005年の最初の旅は、苦労と楽しさが入り交じった、一番の思い出になっています。
ヒューストンにお住まいの方にも、日本へ帰国なさる際の犬の輸入検疫についてご参考になる面があるかもしれません。ぜひご一読下さい!

2010年6月20日日曜日

犬に何を教えないと行けないか、の話。

犬のしつけには、「義務教育」はありませんから、何を教えなければいけないという決まりはありません。

でも、
1)飼主にとって問題にならない、
2)犬にとって問題にならない、
3)社会にとって問題にならない、
という最低限なしつけをした方が、犬との生活がラクで楽しいものになると思います。

例えばノーリード(オフリーシュ)の散歩。
飼主さんはしたがる人が多い。問題にはならない。
犬も自由に散歩できるのは楽しい。問題にはならない。
でも、社会はどうかというと、法令でノーリード(オフリーシュ)が禁止されている場合、問題になる。この場合は、リード付きで上手に散歩できるしつけはしておいた方が良いわけですね。

何を教えるか、は、飼主、犬、そして暮らしている社会によって、自ずと内容が少しずつ変わって来るわけです。

東京に住んでいる犬に教えるしつけと、ヒューストンに暮らす犬に教えるしつけは、内容が違うこともあるでしょう。でも、ヒューストンに暮らす犬であっても、いずれ東京に帰ることが想定されるなら、それを見越して、東京でも通じるしつけをしておいた方が犬にとっての混乱は少ないといえます。

例えば、トイレのしつけ。
東京の犬たちの多くは、家の中でもトイレをするようにしつけられます。犬が集中する都市部では、犬のトイレは家で済ませてから散歩に出かけることを推奨するところもあるぐらいです。一方で、ヒューストンの犬たちのほとんどは、家の中でトイレをしないようにしつけられています。ヒューストンでずっと暮らすのであれば、外だけでも問題ないかもしれません。でも、将来日本に帰り、東京の家では、室内で用を足してほしいと願う飼主さんであれば、ヒューストンで暮らしているときから、室内でも屋外でもトイレができるようにしつけておけば、東京に戻った後も問題は少ないことでしょう。

義務教育のない犬のしつけは、飼主さん次第。

犬と一緒に暮らす中で、「問題」は少ない方がいいのはもちろんですから、困らないように、何を教えるか、しっかり見極めて、教えていきたいものですね。

2010年6月10日木曜日

しつけインストラクターを目指した理由、の話。

当ブログをご覧の方には、直接お会いしたことのない方も多くいらっしゃると思いますので、今日は、なぜ、わたしが家庭犬しつけインストラクターという職業を目指すに至ったのか、について、少しお話してみようと思います。

多くの方が、学生時代に犬の世界を志し、勉強をスタートなさるのに比べて、わたしはスロースターターでした。家庭犬のしつけの勉強を本格的に始めたのは、大学も卒業して久しい、2003年のことでした。

きっかけは、2002年暮れに迎えたコーギーのシャーリのしつけのために、本を読んだり、インターネットで調べたりしたことでした。調べるにつれ、昔、子どもの頃に飼っていた犬たちへのしつけに間違っていたことが多々あったと、今さらながら気付いたのです。

南アフリカとドイツで暮らしていたときに飼っていた犬たちへのしつけ方は、ダメなことをしたら叱る、というしつけ方でした。入っては行けない部屋に入ったといってはダメでしょうと叱り、泥んこの足で飛びついたと言えばイケナイと叱り、つまみ食いしたと言っては叱り、、、、でも、今思い返せば、叱ったときには犬もしゅんとおとなしくなるのですが、二度とやらないかというと、またしばらくすると同じようなことをやっていました。一方で、自分のおやつだったクッキーを少しお裾分けして、上手にできたらご褒美としてあげるということをやっていたら、あっという間にフセを教えることができたのも、記憶として残っています。
叱るしつけと、ほめるしつけ、どちらが犬にとって分かりやすかったのか。それは結果を見れば一目瞭然で、叱ることは犬に通じにくかったのです。


それに気付かないまま、当時の犬たちとはお別れしました。
今となっては、その子たちには申し訳なかったという気持ちでいっぱいなのですが、せめて、今、犬と一緒に生活している方々で、当時のわたしたちとが同じように犬たちとのコミュニケーションで苦労なさっていたり、どのようにしつけたら良いのか戸惑っていらっしゃるときに、良い関係を築くお手伝いができたなら、当時の犬たちへの罪滅ぼしになるのではないかと思い、家庭犬のしつけをもっと深く勉強し、子犬や成犬のしつけのアドバイスを行うインストラクターを目指したいと思うに至りました。

子どもの頃から動物が、特に犬が大好きでした。
でもただの犬好きから、犬と人のためにお役に立ちたいと思うに至ったのは、わたしの周りにいた犬たちのおかげです。これからも、飼主さんと犬たちが素敵な関係を築くお手伝いをさせて頂きたいと思っています。

2010年6月1日火曜日

はじめまして!

「ヒューストン犬便り」のブログへようこそ!

ブログ管理人「しゃりまま」と、2頭の犬たち「シャーリ」と「ヒューゴ」は、2010年5月に東京からテキサス州ヒューストンへ引越して来ました。

当ブログは、日本の方々にヒューストン犬ライフをお伝えしたり、ヒューストンで犬と共に暮らす方々にもご参考になる情報を配信したり、そんなプラットフォームとなるべく立ち上げることに致しました。

家庭犬インストラクターの目から見た、犬文化やしつけ文化の違い、ご一緒に楽しんで頂ければ、なによりです。

<自己紹介>


しゃりまま:
川原志津香(かわはらしづか) 
家庭犬しつけインストラクター。CPDT-KA。
子供時代に南アフリカ、ドイツで合計7年間暮らした後、ドイツ系企業に勤務。家庭犬のしつけに興味を持ち勉強を始め、2004年から2010年まで東京のCan! Do! Pet Dog Schoolに所属。2010年5月に米国テキサス州に引っ越し、犬三昧な日々。著書『旅は犬連れ』(出版文化研究会)、監修『いぬのきもち』。





シャーリ(Schali):
ウェルシュ・コーギー・ペンブローク。
2002年8月14日生まれの女の子。
しゃりままと一緒に3度ドイツに渡り、ドイツ、チェコ、フランス、ベルギー、ルクセンブルクを旅した旅犬。日本は北海道と沖縄に行って全国制覇・・・したつもり?!






ヒューゴ(Hugo):
ベルジアン・シェパード・ドッグ・タービュレン。
2008年7月8日生まれの男の子。
格好良いシティボーイを目指すはずが、インターナショナルシティボーイに路線変更。ともすると、カウボーイに変更か?!